キューバ北西部に位置し、カリブ海地域最大の都市であるハバナ。「オールド・ハバナ」と呼ばれる旧市街と新市街に分かれており、街の歴史と新旧いろいろな側面に触れることができます。なかでも旧市街にいくつも見られる要塞群は16世紀から17世紀に建造されたものが多く、かつてはカリブ最強の砦と言われ、この美しい街を守ってきました。1982年には街全体が世界文化遺産に登録され、多くの観光客が訪れています。そんな歴史ある旧市街の中でも最も有名な見どころをご紹介します。

ビエハ広場

ビエハ広場はハバナでも一、二位を争う最も有名な観光スポットです。旧市街にあり、古き良き歴史を思わせるコロニアル様式の建物に囲まれた大きな広場で、休憩スポットとしても人気があります。ハバナの原点とも言えるこの広場は16世紀後半に作られ、18世紀後半には貿易や砂糖、タバコの生産で巨万の富を得るという時代の繁栄によって豪勢な建築物が次々と建てられたのです。その後一時は老朽化し、荒廃の色を示したこの広場も、世界遺産に登録されてからは周辺の歴史ある建物が修復され、かつての美しい姿を取り戻したようです。2009年には日本の援助でプラネタリウムも建築されました。広場周辺にはおしゃれなカフェやレストランが立ち並び、キューバの地ビールや名物を堪能できます。夜にはライトアップされ、キューバ音楽の生演奏がいたるところで始まり、昼とは全く表情を変えた賑やかなハバナに出逢うことができます。洗練された街並みと、情熱的で温かい地元愛に触れられるこの旧市街の広場はキューバ旅行で1度は立ち寄りたいポイントです。

ラ・ボデギーダ・デル・メディオ

文豪アーネスト・ヘミングウェイに愛されたことで有名なこの店は、ハバナ発祥のモヒートや葉巻を味わえるお店。キューバ旅行に行ったら必ず立ち寄りたいとされている有名店で1942年にオープン以来、ハバナの地で多くの人々に愛されてきました。こぢんまりとした店内はバースペースとレストランに分かれており、バンドの陽気な生演奏が繰り広げられ、足繁く通う地元の人や観光客でいつでも熱気に溢れています。長い歴史を持つこの店はヘミングウェイだけでなく、他にも世界的に有名な多くの作家やアーティストに愛され、ともに時を刻んできました。店内の壁にはこの店を訪れた人たちの名前がびっしり書き込まれており、著名人の名前も数多く見受けられます。ヘミングウェイが遺したとされる「我がモヒートはラ・ボデギータで、我がダイキリはフロリディータで」という文言を壁のどこかに見つけられるかもしれません。この空間か世界的文学や芸術の誕生を見守ってきたのかもしれない。そう思っただけで一際味わい深い体験になりそうです。